次の日――…


俺は早めに家を出た。


教室にはまだあまり人がいない。


俺は若菜ちゃんが来るのを待っていた。


ガラガラ――…


若菜ちゃん達は三人一緒に教室に入って来る。


俺は立ち上がり、若菜ちゃんの元へ行く。


そして、若菜ちゃんの腕を掴み


「話がある」


とだけ言って、若菜ちゃんを人気の少ない廊下まで連れて行った。


そして、


「なぁ、なんで昨日電話に出なかったの?」


昨日の事を問いただす。


「ごめん……。マナモにしてて、気付かなかったの……」


俺の質問に、若菜ちゃんは俯いたまま、消えそうな声で答えた。


昨日からイライラしていた俺は、若菜ちゃんの異変に気付いていなかった。


若菜ちゃんが電話に出なかった事の方が気になって、俺自身、昨日の亜希との事も頭から抜けていたんだ。