繭花……

完璧、楽しんでいるでしょ!!


私は水沢くんの方をチラッと見た。


水沢くんは、困った表情になっていた。


ほらっ、水沢くんも迷惑そうだよ……


前に一緒に帰った時、男の子が苦手な事を話して以来、水沢くんは私と一定の距離を置くようになった。


私も、元々あえて話そうとしていないから、周りは気付いてないけど……


「教えるなら隣の方がいいでしょ」


繭花はそう言って、私と席を替わろうとしている。


「繭花ちゃん、でも……」


水沢くんが何か言おうとしたけど、それを無視して私を水沢くんの隣にした。


「若菜ちゃん……、無理しなくていいよ」


えっ?

どういう意味?