素直な気持ち~好きになってもいいですか?~

私は教室に入った瞬間


「話がある」


水沢くんは私の腕を引っ張って、人気の少ない廊下まで連れて来た。


今、水沢くんと話したくない……


「なぁ、なんで昨日電話に出なかったの?」

「ごめん……。マナモにしてて、気付かなかったの……」


私は俯いて、水沢くんの顔を見ずに、消えそうなくらい小さな声で答えた。


嘘……

気付いていた。

水沢くんと話す勇気なかったの。


ねぇ、水沢くん。

あの人は誰?

なんで抱き合っていたの?

なんで……

キス、してたの……?


聞きたい事は沢山ある。


だけど、私には水沢くんにその事を問いただす勇気がなかった。


気になるけど、聞く勇気はないんだ。


もう傷付きたくないから……