素直な気持ち~好きになってもいいですか?~

私が胡桃と話していると


「俺、数学教えて」


水沢くんは繭花に話し掛けていた。


だけど、繭花は


「理数系は若菜が得意だから、若菜に教えてもらいなよ」


なんて、笑顔でそう言っていた。


えぇぇ!?

その笑顔、私からしたら、悪魔の微笑みに見えるのは気のせいだろうか……


「教えるとか無理だよ……」


私は小声で繭花に反抗する。


胡桃は五十嵐くんと付き合っているのだから、五十嵐くんに勉強を見てもらうと思っていた。


で、水沢くんは繭花が教えるだろう、と思っていた。


だけど、その考えは甘かったみたいだ。


「だって私、文系だもん。数学は若菜の方が成績いいじゃん。練習、練習!」


だけど、繭花はにこにこしながら、耳元でそう言う。