素直な気持ち~好きになってもいいですか?~

私達は特に会話をする事もなく、無言のまま歩く。


寮の門をくぐり


「じゃぁ、私こっちだから」


と、女子寮の入り口の方に向かう。


「なぁ、日向。お前、水沢と付き合ってるんだってな」

「うん」

「お前、騙されてるんじゃねぇの?だって、お前だよ?水沢と釣り合うわけないじゃん?遊ばれてるんじゃねぇ?」


私だって釣り合わない事はわかっている。


水沢くんの事が気になりだした頃は、好きになる事すら、躊躇ったのだから。


だけど、水沢くんはそんな人じゃない。