素直な気持ち~好きになってもいいですか?~

ドンッ――


「うおっ!」

「あっ!ごめんなさい」


前を見ずに走っていた私は、前を歩いている人にぶつかってしまった。


「お前、気を付けろよ……」

「あっ、橘くん……。ごめんなさい」


あまり関わりたくない相手。


橘くんは呆れた表情で私を見下ろす。


「まぁ、いいや。どうせ帰る所同じだし、一緒に帰るか?」


そう言って、橘くんは歩き出す。


正直、あまり橘くんと一緒に居たくない。


だけど、知らない人につけられて一人で怖い思いするくらいなら、橘くんと一緒の方がまだマシか……


そう考えた私は、橘くんの隣に並んで歩く事にした。