素直な気持ち~好きになってもいいですか?~

「お前、彼氏はどうしたんだよ」

「彼氏?そんなの、気にしなくていいよ。ねぇ、行こう?」


亜希は甘えるように上目遣いで俺を見る。


亜希のそんな仕草が可愛いなんて思っていた頃もあったけど。


今の俺の心は動かない。


「嫌だ。行かない」


冷たくはっきりそう言って、俺は帰ろうとした。


だけど、亜希は振り払っても振り払っても、俺の腕に腕を絡ませてくる。


結局、亜希の事を振り払いきれず、俺は連れて行かれた。


若菜ちゃんには明日言えばいいか。


別にやましい事なんて何もないんだから。


俺が好きなのは若菜ちゃんだけだから……