素直な気持ち~好きになってもいいですか?~

「ほら若菜、前向いて!笑顔、笑顔!」


俯く私に、デジカメをかまえた繭花が声を掛ける。


そして、


「ハイ、チーズ!」


カシャッ――


「うん!いい感じ」


繭花満足げに、今撮ったばかりの画像をチェックしていた。


「あ、あの……」


私の呼び掛けに水沢くんは私を見る。


「後夜祭の時……。ちょっと……、話、いい?」


断られたらどうしよう……


そうドキドキしながら、水沢くんの返事を待つ。


「うん。じゃぁ、教室で待ってる」


よかった……


とりあえず、断られなかった事にホッとした――…