「嫌、離して」


私は上原くんから離れようとしたのだけど、やっぱり男の子の力にはかなわない。


水沢くんに見られたくない。


そう思うと、自然と涙が溢れてきた。


だけど、ここで泣くわけにはいかない。


私は涙をこらえ


「お願い、離して……」


上原くんを見る。


「いいじゃん、これくらい。っていうか、そんな潤んだ目で見つめられたら、ヤバいよ?」


そう言って、上原くんはさっきより強い力で私を抱き寄せた。


嫌……

何が、ヤバイの?

っていうか、見つめてないし。


「お願い……。離して……」

「水沢、撮って」


私の言葉を無視して、上原くんは笑顔で水沢くんに頼んでいる。


……結局、私は上原くんに抱き寄せられたまま写真を撮られた。


「じゃぁ、またね!」


上原くんは上機嫌に帰って行った。