素直な気持ち~好きになってもいいですか?~

「胡桃、帰ろう」


その時、五十嵐くんが声を掛けてきた。


そして、その後ろから


「今日は遅くなったから、送るよ」


水沢くんが声を掛けてきた。


その瞬間、私は顔が赤くなるのがわかった。


「若菜、帰りにでも明日の後夜祭、誘いなよ」


繭花が耳元で囁く。


水沢くんの気持ちを聞いて以来、私は水沢くんとほとんど話していない。


というか、恥ずかしくて、まともに顔すら見れていない。


そんな状態で、後夜祭、誘えるのだろうか……


私の気持ちに気付いたのか


「ちゃんと誘いなよ」


繭花は念を押してきた。


「うん……」


そんな繭花に、私は頷くしかなかった。