何か言わなきゃ……

私も“好き”って言いたい。

“好き”って言わなきゃ……


だけど、緊張して、私は何も言葉が出てこなかった。


そして、しばらく沈黙が続く。


このままじゃ、水沢くんに誤解されてしまう。

何か言わなきゃ……


そう思うのに、やっぱり何も言葉が出てこない。


「ごめんね、帰ろうか」


そう言うと、水沢くんはベンチから立ちあがり、歩き出した。


えっ!?待って……


私は慌てて、水沢くんの後を追った。


そして、その後は……


水沢くんは私を寮まで送ってくれた。


結局、私は水沢くんに何も言えなかった――…