素直な気持ち~好きになってもいいですか?~

そして、放課後――…


「若菜ちゃん、帰ろう」


俺が借り物競争で若菜ちゃんをお姫様抱っこした事は学校中知っている。


だから、俺達は周りから注目を浴びながら、若菜ちゃんと一緒に帰った。


若菜ちゃんと何度も一緒に通った寮までの道。


今日はいつもと違う。


俺はありえないくらい緊張していた。


それに、何故だか若菜ちゃんも緊張しているような雰囲気。


しかも、顔もほんのり赤くなっている。


若菜ちゃんと知り合った頃。


初めて若菜ちゃんと二人きりで帰った時。


若菜ちゃんはすごく緊張していた。


男が苦手だと言っていたし。


だけど、あの勉強会以降、よく話すようになり、若菜ちゃんの緊張も和らいできたように感じていた。