それから数日後――…


「もうすぐ夏休みっ!」


放課後、帰り支度をしながら、胡桃は嬉しそうに言った。


「その前に期末テストがあるけどね。胡桃、あんたそんなのん気な事、言ってて大丈夫なの?」

「ゔぅぅー」


繭花の言葉に胡桃はうな垂れる。


私はそんな二人の様子を見て笑っていた。


成績は繭花も私も、いつもだいたい学年30位以内には入っている。


胡桃はどちらかと言えば下の方。


「あっ、そうだ!五十嵐くんに教えてもらったらいいんじゃない?」


いつも試験勉強は繭花と胡桃と一緒にやる事が多い。


私達の教え方が悪いのかもしれないけど、胡桃の成績がなかなか上がらない。


五十嵐くんはいつも、上位5位内に入っている。


だから、私は言ってみたんだけど。