「ねぇ!やっぱり水沢くんと付き合ってるの?」

「ショックー。でも、日向さんなら仕方ないよね」


応援席に戻ると、クラスの女の子達が口々に言った。


えっ?

私、水沢くんと付き合ってないけど……

私が水沢くんの事を好きって事がバレたの?

でも、それだと“付き合ってる”なんて事にならないし……


みんな何を言ってるんだろう……?


私がまたきょとんとしていると、肩に手を置かれ


「はぁ……。若菜、まだわかってないでしょ」


振り向くと、胡桃は大きなため息を吐きながら、また呆れた顔で私を見ていた。


「えっ?だから、何?」


いまだわかっていない私を見て、興奮気味の戸川さんが


「日向さん、借り物競争だよ!男子の借り物競争でお姫様抱っこって言ったら……」

「あっ……」


そこまで言われて、私は、ハッとした。