橘くんが転校してきたり、水沢くんへの気持ちに気付いたり、自分の事でいっぱいいっぱいだった私は、このジンクスの事をすっかり忘れていた。
「さっ!お昼も食べた事だし、場所、キープしに行くよ!」
繭花は張り切って、私の腕を引っ張る。
「繭花、何、張り切ってるの?」
「はぁぁ!?若菜こそ何寝ぼけた事言ってんの?水沢に『一番前で見てて』って言われたでしょ?」
そんな事言われても、水沢くんも繭花も何が言いたいのかわからないんだもん。
「“男子の借り物競争”だよ!……はぁ。まぁ、いいわ……。とりあえず、一番前を確保するの!」
きょとんとする私を、繭花と胡桃は呆れた顔で見ていた――…
「さっ!お昼も食べた事だし、場所、キープしに行くよ!」
繭花は張り切って、私の腕を引っ張る。
「繭花、何、張り切ってるの?」
「はぁぁ!?若菜こそ何寝ぼけた事言ってんの?水沢に『一番前で見てて』って言われたでしょ?」
そんな事言われても、水沢くんも繭花も何が言いたいのかわからないんだもん。
「“男子の借り物競争”だよ!……はぁ。まぁ、いいわ……。とりあえず、一番前を確保するの!」
きょとんとする私を、繭花と胡桃は呆れた顔で見ていた――…

