俺がどうしようか迷っている間に寮に着いてしまった。


「着いたよ」


俯いたままの若菜ちゃんに声を掛ける。


「ありがと。じゃ、また月曜ね」


俺は寮の門をくぐる若菜ちゃんを見送った。





若菜ちゃんを送った帰り道――…


俺は駅で電車を待っていると、


……なんで、アイツがここに?


俺が固まったまま反対のホームを見ていると


『1番乗り場に電車が参ります』


アナウンスが鳴り、電車がホームに入ってきた。


俺は電車に乗り、さっき見ていた所に視線を戻した。


その瞬間、見たくない光景を見てしまった……


そして俺は


もう人を好きにならない

もう恋なんてしない


と再び心に誓った――…