若菜ちゃんの事を好きな男は多いのは知っている。


だけど、橘も若菜ちゃんの事を好きだなんて思っていなかった。


若菜ちゃんは橘の事を避けているみたいだけど、中学の同級生という事もあり、他の男と比べると、若菜ちゃんは橘とはそんなに緊張せずに喋っているように見える。


俺は“断ってくれ”と祈るしかなかった。


俺の祈りが届いたのか、若菜ちゃんは橘に断っていた。


だけど、橘はしつこく若菜ちゃんを誘っている。


俺は、若菜ちゃんの彼氏でも何でもない。


だから、“やめろ”と止めたかったのだけど、そんな事は出来ない。


断り続ける若菜ちゃんに対し、橘は本当にしつこい。


いい加減にしろよ。


俺はだんだんムカついてくる。