「なぁ、日向。一緒に帰るくらい、いいじゃん」

「断ってるんだから、あんまりしつこく誘わないでくれる?若菜、嫌がってるでしょ!」


あまりにもしつこい橘くんに、とうとう繭花がキレた。


「……わかったよ。俺、帰るわ」


橘くんは渋々だけど諦めて、そのまま被服室を出た。


「なんなの、アイツー!」

「繭花、ごめんね」

「若菜は悪くない!全部、アイツが悪いんだから!!」


橘くんは一人で帰って行ったのだけど、繭花の怒りはまだおさまらなかった。


橘くんが帰った後の被服室には、なんともいえないような空気が流れていた。