「ううん。橘くんの事、今は好きじゃないから。だから、大丈夫だよ」


私が微笑みながら言うと、繭花は何か少し考える。


そして、


「ねぇ……。橘の事、今は好きじゃないんでしょ？」

「うん」

「じゃぁ……、水沢の事は、どう思ってる？」


えっ!?

何で急に水沢くんの話？

どうって聞かれても……


繭花にまっすぐ見つめられると、何か見透かされているような気になる。


ここで、“別に、何とも……”と答えた所で、繭花は納得しない。


きっと、私の微妙な気持ちの変化に気付いてるんだろうな。


だから、急に水沢くんの事を聞いてきたのだろう。