俺は下駄箱まで来て、若菜ちゃんを無理矢理引っ張って連れて来ていた事に気付いた。


「ごめん!」


俺は若菜ちゃんの腕を離し、顔の前で両手を合わせ謝った。


「あの……、助けてくれてありがとう」


あっ、よかったんだ……


若菜ちゃんの言葉に、俺はホッとした。


無意識とはいえ、俺はただ、自分がムカついて、若菜ちゃんの事を連れ出しただけだから。


「何を言われても、若菜ちゃんは若菜ちゃんなんだから、気にする事ないよ」


俺は若菜ちゃんの頭を撫でた。


ちょっとやりすぎたかな?


とも思ったけど。


だけど、若菜ちゃんはにこっと自然な笑顔を見せてくれた。