それを見られないように、私は俯く。


「そういえば、入学した頃、日向さんって太ってたよね。ホント、変わったわよねぇ」


中村さんは笑いながら、見下すような口調で言う。


だから、私、頑張って痩せたんじゃん。

なんで、中村さんにそんな言い方されなきゃいけないの?

太ってようが、ダイエットしようが、中村さんに関係ないじゃん。


なんて、そんな事を言えるわけでもなく……


私は、俯きながら必死に涙をこらえた。


「若菜ちゃん、帰ろう」


そう言いながら、水沢くんは私の腕を引っ張りながら教室を出る。


胡桃と繭花、五十嵐くんはその後に続いて教室を出た。