素直な気持ち~好きになってもいいですか?~

隣の席の繭花は、私の様子がおかしいのに気付き、


「若菜?どうした?大丈夫?顔色悪いよ?」

「な、んでも、ない……。大丈夫だよ……」


そう答えながら、繭花に笑顔を見せるが


「若菜、今日、帰りどっか行く?うん、行こう!」


私の返事を聞く前に決めていた。


そんなやり取りをしていると


「橘の席は……。明日、席替えをするから、今日はあそこに座っとけ」


担任は扉側の一番後ろの席を指して言った。


繭花の方を見ていた私は、パッと視線を逸らし、橘くんに気付かれないように俯く。