素直な気持ち~好きになってもいいですか?~

「はじめまして。橘 玲央です。よろしく」


橘くんは、そう言うとにこっと笑顔を見せる。


その笑顔に、


「キャー!」

「カッコイイ!」


女の子達は顔を赤くし、口々に言う。


なんで……?

なんで、橘くんが、ここにいるの?


確か、橘くんは元々私の志望校でもあった、公立の高校に通っていたはず。


なのに、どうして?


私は泣きそうになり、俯いた。


気付かれませんように……


それだけを祈っていた。