素直な気持ち~好きになってもいいですか?~

橘くんは少し考えて


「日向……。少し、考えさせてくれないかな?」


えっ?

私の事、考えてくれるの?


みんなに押されて告白したけど。


私は、その場で断られると思っていた。


だって、どうせ彼女にするなら、細くて綺麗な人の方がいいでしょ?


だから、橘くんに“考えさせて”と言われた事に、ちょっとびっくりしていた。



「うん」

「じゃぁ、俺、戻るね」


私が頷くと、橘くんは旅館に戻って行った。


私はそんな橘くんの後ろ姿を、ポーッと見ていた。


そんな私達、いや、私の事を見ていた人達がいたとは知らずに――…