「若菜ちゃん?花火キレイだよ?」


だけど、若菜ちゃんは「うん」と小さな声で頷くだけで、下を見たままだった。


絶対、はぐれている間に何かあった。

でも……

俺が聞いた所で、若菜ちゃんは言ってくれないだろうな……


本当は、俺が自分で聞きたかったけど、答えてくれないと思い


「ねぇ……。はぐれた後から若菜ちゃん様子おかしいから、話を聞いてあげて。俺じゃ話してくれないだろうから……」


と、繭花ちゃんに耳打ちした。


繭花ちゃんも様子がおかしいのに気付いていたみたいで


「うん」


と、頷き、再び花火を見ていた――…