俺達は、五人で地元の花火大会に来ている。


渉と胡桃ちゃんが仲良く手を繋いで前を歩いていた。


いいな。

俺も若菜ちゃんとあんな風に歩きたいな。


今、俺の隣には若菜ちゃんがいる。


俺は歩くたびに触れる若菜ちゃんの手にドキドキしていた。


ちょっと触れるだけど、こんなにドキドキするって、かなり重症じゃね?


こんなに若菜ちゃんの事が好きなのなら、さっさと自分の気持ちを伝えたらいいんだけど。


正直、また裏切られるのが怖い。


「日向はそんなヤツじゃないだろ」


渉はそう言うけど。


俺だって若菜ちゃんを見ていて、アイツとは違うっていう事はわかっている。


だけど、やっぱりなかなか一歩前へ進み出す事が出来ない。