「ごめんなさい……」


私は泣きそうになっている事がバレないように俯きながら謝った。


「……若菜ちゃん?何かあった?」


様子がおかしい私に気付いて、水沢くんが心配そうに私の顔を覗き込む。


私は涙を堪えて


「ううん、何でもない。大丈夫だよ」


にこっと笑って、そう答えながら水沢くんを見る。


でも心の中は、中学の頃の私に戻っていた。


「ならいいけど……」


水沢くんは携帯で、私が見付かった事を伝えていた。


「川辺で待っているみたいだから、行こう」


そう言うと、水沢くんは私の手を引っ張って歩き出した。


「えっ!?みっ……み、水沢くん!手っ!」

「あぁ。また、はぐれたらダメだろう?だから」


と、水沢くんは繋いでいる手を上にあげ、にこっと笑う。


そんな水沢くんの行動に、真っ赤になり俯いて歩いた。