素直な気持ち~好きになってもいいですか?~

俯きながら走っていると


ガシッ――


いきなり腕を掴まれた。


もしかして、私が居た事に気付いた?

だけど、中学の同級生達が私を追いかけて来る理由もない。

じゃぁ、誰?


私は、恐る恐る振り返った。


「はぁ……、よかったぁ。……見つかった」


私の腕を掴んでいるのは、額にじんわりと汗をかいた水沢くんだった。


「急にいなくなるから、びっくりしたよ。みんなも心配してるから行こう」


優しくそう言う水沢くん。


私は、中学の同級生や好きだった人を見かけた事で、昔の事を思い出し、水沢くん達とはぐれていた事を忘れていた。