「いやいや、そーじゃなくてー…………」 「………は?」 衝撃的な言葉に俺は暫く思考が停止していた。 「いや…嘘だろ?あのチユが?」 「ホントだぜー。まぁ予想外では無かったけどなー」 「すまん。俺仕事入ったから帰る」 「はやっ!?来たばっかだろー」 後ろから聞こえてくる声も気にせずに、来た車に引き返す。 「…んなこと…冗談だろ?…」 自然と足取りは速くなっていった。 冷静を装って車に戻り、「帰る」と伝える。 鏡で俺の様子を窺いながらも何も言わずにアクセルを踏んだ。