通り過ぎようとした瞬間、彼女の手が、がっちりと俺の腕をつかんだ。 「ちょっとっ?!何無視してんのさっ?!」 「・・・うるっせぇな。手ぇ離せよ」 感情が止まらず、思い切り琴音を睨みつける。 さっきの不良は一瞬で怯んだけど、琴音は怯まなかった。 怒った様子も心配した様子も泣きそうな様子も見せず、無表情な顔でこっちをジッと見た。 そう、ただ真っ直ぐに、俺だけを捕らえた。 「・・・なにか・・・あったの??・・・お姉ちゃんと・・・」 「・・・え??」