俺の異変に察したのか、巧が不安そうに聞いてくる。 俺は躊躇うことなく、その場から立ち上がった。 巧を見下ろす。 巧はハムスターみたいに小さく縮こまって、ただ不安そうに俺の顔を見ていた。 会いたい。 あの人に会いたい。 ただ、それだけだった。 「俺、帰るから。荷物、俺んちの倉庫に入れといてくれない?」 「・・・は??何言って・・・」 巧が言葉を言い終わらないうちに、俺はその場から駆け出した。