「空、学校行かないと遅れちゃう。ばいばい、おじちゃん!!」 手を振りながら、女の子はどこか遠くへ走っていく。 その後姿を、俺はじっと見詰めた。 ・・・空、か。 それだけで十分だ。 それだけで・・・俺は十分。 ありがとう。 小さく呟く。 そして、俺は空を見上げた。