「俺達と1個しか変わらないよ。まあ、確かに頼りにはしてるかな」
「そりゃどうも。あ、でも俺お前らよりも3歳年上だよ?」
笑い飛ばすように言った言葉を雪兎は思いついたように返す。
そしてその思いついたような発言で場の空気は一気に凍りついた。
私を含め3人は食べていた手を止め、雪兎の顔へと集中する。
「……え?」
「……俺、聞き間違えた?」
「……ぼ、僕もそう思いたい」
しん、となった此処で周りのガヤガヤとした音や食器がなる音だけ鮮明に聞こえる気がした。
だが、私の脳内は急速に回転し始める。
こういうとき自分ってあんまり物事に動じないのかもしれない、と実感する。
雪兎は兄よりも3歳年下だったはずだ。
そして私と兄は6歳離れている。
と、言う事はだ。
雪兎は私より3歳年上なはずであって、……現在16歳自分にプラス3をすると……。
「……19歳だ」
ぽつりと言った言葉に雪兎はにっこり笑う。
「ご名答」
「そうだった。ラビ先輩、あたしより3歳年上だった」
「そうだよ。裕利よりも3歳年下だったけどな」
昔を思い懐かしむような顔に、ぽっと胸が暖かくなる。
が、他2名はそうはいかないらしい。
「19歳……、じゅうきゅうさい」
「大人っぽいし……、園田さんが頼りにするわけだよね……」
ぶつぶつとうわ言のように繰り返す彼らを見て、雪兎と顔を見合わせて笑った。



