学園マーメイド



「みんなどうして此処に?」


陸嵩はまだ分かる。
前からこうしてお昼を食べる約束をしていた(光と食べるときもあるが、最近はずっと陸嵩だ)。
さて、ではこの二人は?
陸嵩はきょとん、とした顔で口の中にあるスパゲッティを飲み込むと水を飲んだ。


「梅は、蒼乃がまた話したいってゆってたからお昼誘った。ラビ先輩は……?なんでだったけ?」
「……お前が昼前に俺にあって“飯一緒しませんか”って言ってきたんだろうが」
「ああ、そうだそうだ」


と、言うわけ、と此方に向かって言われるが、意味が分からない。
まあ、詮索するのは面倒くさいのでそれを聞いて食す事に専念することにした。
ねちねち考えても仕方がない。
ベーグルを千切って口に入れる。
……うまい。


「蒼乃って昔からパン類好きだよな」


雪兎が顔を緩めて言う。


「……そうだっけ?」
「うん。おやつに食パンとか食ってた」


食パンはおやつにはいるのだろうか。
しかし食パンを食べていた頃の記憶が薄い所為か、あまりぴんとこない。


「ラビ先輩と……園田さんって、昔からの知り合いなんですか?」


会話に入ってきたのは梅沢だった。
そう言えばさっき3人の会話で、雪兎と梅沢は初対面だと言っていた。
その問いに雪兎ではなくスパゲッティを飲み込んだ陸嵩が答えた。


「そ。幼馴染なんだって」
「そ、そうなんだ。……ラビ先輩ってすごく大人っぽいし園田さんとかバンビ君が頼りにしちゃうの分かるな」


照れくさそうに、そして残念そうに呟いた。