『あの!』
携帯番号おしえて!友達になって!』
今でも信じられない
後にも先にも私から男に声を
かけたのはこの時だけだ
顔が赤くなっていくのがわかった
彼は驚いた様
無理もない。知らない女、しかも私なんか
に声をかけられて
迷惑だろう、しかも仕事中に。
そう、彼はカラオケでアルバイトしているのだ。
我に返った。
『ごめん~気にしないで。笑っ』
走り去った。。。
何してんだ?私は…。
せっかくのチャンスだったのに
部屋に帰ろうとした時、彼が追ってきた
『うん、宜しく!僕、彼女いないから!!』
そう言って携帯番号とアドレス、生年月日、フルネームを書いた紙を私に渡してくれた
こんなことがあるんだろうか
嬉しくて胸の鼓動が聞こえているんじゃないかと感じるくらい
私は舞い上がっていた
近くで見るとやっぱりカッコ良い
それにしても、あの一瞬でプロフ良くかけたなぁ
紙をみた
佐伯卓。私と同い年
