「…そちらの方は彼氏さん?」 そこで隣の遥斗に気づいた沙希さんはまた微笑んだ。 「はい」 「あおちゃんを、幸せにね」 「もちろんです」 「頼もしいわ」 どうしてこんなことを言ったのか分からない。 でも、私は湊意外の人にもちゃんと見守られているんだなって。 『また来年来ます』 私は、もう一度沙希さんに深く頭を下げて足早にその場をあとにした。