「…湊にとって、短い一生だった。 でも、そんな中で。 湊はあおちゃんに逢ってたくさんの幸せをもらった。 だからね、あおちゃん」 うっすら涙を浮かべる沙希さんは、私を真っ直ぐに見つめて言う。 「湊と、出逢ってくれてありがとう」 「……っぅぅ…うぅ…」 「ありがとう」そんな言葉がどれだけ私を助けてくれたか。 "湊と出逢っていなければ" そんなこと想っても、湊は帰ってくるわけないのに。 自分の放った言葉に、酷く後悔した。