晴れ、時々、運命のいたずら




「H…。
いつもありがとうね。
ファンレター。
私、本当に嬉しかった…。
あの時、土器川で別れてから、電話もメールもせず、翔太も私の事思って敢えて連絡してこなくて…。

それでも手紙で応援してくれた。
そして、高崎に来てくれるって。
あの時のメールでのやり取り。
嬉しかった、幸せだったよ…。
やっと会える。
やっと迎えに来てくれるって…。
楽しみで楽しみで…。

でも…、ごめんね…。
あの時、メールじゃなくて電話にすれば良かったね…。
電話なら、声で翔太の調子、気付く事が出来たのかもしれないね。
そうしたら、もっと優しく出来たのかもしれない、ううん、優しく出来た…。

私はずっと、翔太に相応しい女になる為に必死に頑張って来た。
アイドルになる事が夢だけど、一生、翔太の隣にいる事がさらにその上の夢だった。
ずっとずっと…。
それだけを考えて生きてきた。
今まで、その思いだけを胸に頑張って来た…。
頑張って来れた…。

でも…。
結局、私は自分の事しか考えてなかったね。
翔太の…、病気の事、何も知らなかった…。
何1つ知らなかった…。

ある日、ファンレターが届かなくなった時点でちょっと気付いていたんだ。
翔太の身に何かあったのかな、って。
なのに、私は何も出来なかったし、しなかった。
翔太の為に出来る事、何もしなかった。

今から思えば、幼稚園の頃から私、翔太の為に何もしていないよね。
ずっと、翔太に迷惑かけて、追いかけ続けて…。

恨んでる?
恨んでるよね?
私だけ夢を追い求めて、待っていてと言って、迎えに来てって言って…。
勝手だよね。
勝手だよ、私…。
それなら…、それなら…。

私が病気になれば良かったね…。
私が倒れたら良かったね。
そうしたら…、翔太、まだこんな狭い場所に居る事無く、これからも元気だったのにね…。」