暫く墓石を抱いた後、千夏に向かって振り向いた。 「母さん…、ありがとう…。少し…、1人にさせてくれないかな…。」 か細い声で伝えてくる有紗と目を合わせる事も出来ず、静かに頷くと、そのまま千夏は車に乗って去って行った。 1人になると再び頬を墓石に当て、寄り添うように優しく抱きかかえる。 「私ね…。」 鞄の中に手を入れる。 「実は、気付いていたの…。」 取り出した1通の封筒。 「翔太だったんでしょ…。」