晴れ、時々、運命のいたずら




「急性リンパ性白血病で入院してから半年後に一度は退院出来た。
経過も良好で抗がん剤投与の効果も表れてたと言っていた。
けれど、それから暫くして、体調が悪化して、入院する事になった。
完全寛解になったけど、白血病細胞が再び増加して…。
脊髄以外にも脳にも腫瘤(しゅりゅう)が出来て…。」



千夏も手で顔を覆ったまま俯く。



「再び…、入院する事になったのは、いつ…。」



「確か…、先月の15日頃だったと思う…。」



その言葉を聞くと、鞄から携帯を取り出しメール画面を開いた。



『高崎、必ず行くよ。』



(メールを貰ったのが10日。高崎のイベントが20日…。)



「翔太君、有紗のイベント、絶対行くって言ってたのよ。言ってたのに…。」



(翔太…。)



「翔太君、最後まで…。必ず迎えに行くって言ってた…。」



ゆっくりと墓石に近づき、膝立ちすると両腕で優しく抱きかかえた。


頬を墓石に近づけ、そして触れる。


冷たい感触。


その感触は、雪のせいか、悲しみのせいか…。



「翔太…。」



頬を伝い、墓石にも一筋の涙が流れる。



「ごめんね…。」