歩きながら今までの事を思い出す。
幼稚園、小学校、中学校。
いつも隣に翔太がいた。
授業が始まる5分前に宿題を忘れた事に気付き、慌ててノートを貸してくれと言われた事。
運動会の騎馬戦で体勢を崩し、膝から血が出ている事に気が付くと、すぐに保健室に連れて行ってくれた事。
のど自慢大会で優勝した時、誰よりも喜んでくれた事。
そして…、黄色いお守りをくれた事…。
(何もかもが、昨日の事のよう…。)
前を歩く千夏の背中が先ほどと違って小さく見える。
それは、千夏が俯いているからだろうか。
「…着いたよ。」
有紗に振り返る事無く、静かに立ち止まると小さく呟いた。
千夏に近づき、並んで見つめる。

