晴れ、時々、運命のいたずら




有紗は食事を終えると、千夏に促されて、駐車場に停めてある軽自動車に乗り込んだ。



「母さん、免許取ったの?」



「東京から帰って来てからね。坂出に住む事になってから車があった方が良いかな、と思ってね。」



2人を乗せた軽自動車は国道438号線を南下していく。



「あ、雪。」



何気なく窓の外を見ると、雪がちらついている。



「あら、珍しいわね。この時期に雪なんて。」



3月。


普段から雪があまり降らないこの地方では本当に珍しい事だ。


有紗は肌寒さを感じながら、ポツリポツリと話し始めた。



「母さん、今日香川に帰って来たのはね…。」



「分かってるわよ。」



千夏も小さく呟く。


その言葉を聞いて、有紗は何も言わずに窓の外を眺める。


灰色の雲の下に広大な田園が広がり、右手には讃岐富士が見える。



(讃岐富士の向こうには土器川が流れているんだよね…。)



思い出す土器川の河川敷。


卒業式の後…。