『皆様ご乗車お疲れ様でした。まもなく坂出に到着致します。』
瀬戸大橋を渡り終え、高架線を左に大きくカーブをすると、列車は坂出駅のホームにゆっくりと滑り込んだ。
有紗は荷物を抱え、ホームへ降り立つと、俯いたまま改札口へと向かった。
改札口を出ると、懐かしい空気を感じる。
(帰って来たんだ…。)
「おーい!」
声の方を向くと、有紗の母、千夏がにこやかに手を振りながら近づいてきた。
「母さん。」
千夏の姿を確認すると思わず嬉しさが込み上げる。
「お帰り、有紗。」
「ただいま、母さん。」
「それにしても突然ね。急にメールで帰るって送って来るもんだから…。」
「ごめんなさい、本当は先週帰る予定だったんだけどね…。」
「まぁ、いいや。お腹減ったんじゃない?久しぶりに讃岐うどんでも食べる?」
「そうだね。」

