「電話くれてありがとう。驚いたけど嬉しかった。」



素直な気持ちを香織に述べる。



「あんたみたいな田舎者は香織がいないと何も出来ないのだから。」



「相変わらず冷たい言い方だね。」



それでも一緒に活動していた頃に比べると、柔らかく感じる。



「会うの、いつ以来だろう?」



「2ヶ月ぶり、ぐらいじゃない?」



「香織は今、何しているの?」



聞かれた事を答える前に、目の前のアイスコーヒーをマスクを外して軽くストローで吸い上げる。



「香織はね、実は今、京都に住んでいるの。」



「京都!?」



「京都から大阪の専門学校に通っていてね。美容系の学校だけどね。」



子役から活動してきた香織は、今になって勉強したい思いが強くなったと言う。



「今日も、実は京都から出て来たついでに、田舎者のあんたが1人、東京で迷子になっていないか気になってね。」



「香織…。」