「ポエムいっぱい書いて頑張ってね。今日はごめんね。呼び出したりして。」
一方的に伝えると、走って去っていく。
手のひらの赤いお守り。
(私だって…。)
どんどん背中が小さくなっていく。
(私だって…。)
好きだ、の一言が出てこない。
稔は一度振り向くと、大きく手を振り、そして…、姿が見えなくなった。
(もう…、会えなくなるの。)
お守りに涙が落ちる。
(こんな終わり方…。)
「私…。」
(千葉君の事…。)
「大好きなのに!」
お守りを握りしめ、その場で両膝をつき、肩を震わせ俯いたまま暫く動く事が出来なかった。

