「香織…。俺は、香織がいればそれでいい。」
ブツブツ言いながら島根はついに愛姫と目が合った。
冷たい感覚。
背中が壁に当たり、座り込んだまま恐怖感でその場から動けない。
「お、お願い、止めて…。」
声を震わせながら伝えるも全く耳に届かない。
ジリジリと近づいてくる。
「島根さんはそんな人じゃない…。」
「俺は香織を愛していた。心から愛していた。こうなったのも、全て…、全て貴様のせいだ!」
「来ないで…。」
「貴様が、香織を奪った…。」
愛姫を睨みつけながら手が届く所まで詰め寄ってくると、再び首を絞めてきた。
「貴様だけは…。」
更に目が血走っている。
「許さない!」
「し、まね、さ…。」
「香織の為に…、絶対に許さない…。」
(もう…、ダメ…。)
体全体の力が抜けていく…。
(翔太…。)
頭に翔太の顔が浮かぶ。
(ありが、とう…。)

