晴れ、時々、運命のいたずら




ゲートブリッジを渡るとすぐに公園があり、ゆっくりと駐車場に停める。



「若洲公園と言って、釣りやアウトドアが出来る江東区民の憩いの公園なんです。」



「そうなんですか。」



すっかり日が落ちている為、公園の中にいる人も少ない。


先程通ったゲートブリッジのライトアップを見ようと近づいてみる。


多目的広場は芝生になっており、子供向けの遊具も設置されている。



「綺麗なライトアップ…。」



見上げたゲートブリッジは、キラキラと真っ暗な夜空に映え、輝いている。



(こんなに綺麗な景色、東京に来てからじっくりと見た事がないな…。)



ゲートブリッジを目で追いながら、ゆっくりと近づくように南へ歩いて行く。


そして、多目的広場の一番南端まで着くと、芝生に座っている男女が目に入った。


肩を寄り添い、並んでゲートブリッジを見上げている。



(カップルかな?)



カップルの背中を見つめながら思わず微笑んでしまう。


しかし、その微笑みはすぐに消えてしまった。



(あの後姿…。)



どこかで見た事がある後姿。



(もしかして…。)



半信半疑で男女に近づく。