「おはようございまーす!」
香織が元気良く挨拶する。
(第三者がいると急に人格が変わるのは相変わらずね…。)
思わず愛姫も感心してしまう。
「愛姫。」
「はい。」
「ファンに家まで来られたそうね。」
「はい…。」
「本当に気を付けてよ。島根、分かっているわね。」
「はい。」
直美に言われて島根はまた深く頭を下げた。
「それでね、いよいよ3曲目の発売が決定したの。」
「ホントですか!香織、嬉しい~。」
「今回の曲は熊本直哉さんが作ってくれるそうよ。」
熊本直哉と言えば、その名前だけで数万枚売れると言われている、今、大人気のプロデューサーだ。
「今回もしっかり力入れてるから2人とも頑張ってね!」
「はい!」
「じゃあ、宜しくね。島根、ちょっといいかしら。」
直美は、Shipの元気な返事を聞いた後、島根を連れて出て行った。
直美がいなくなると、香織は急に顔が変わり携帯を触り始める。
愛姫は心の中で一歩ずつ階段を上っている実感を噛みしめながら、鞄から黄色いお守りを取り出した。
(翔太。見てくれている?私、必ずあなたにとって相応しい女になるから。もう少し待ってて…。)

