「はい、どうぞ。」
男性は、受付で商品を受け取ると、穂乃花が座っているベンチに戻りオレンジジュースを手渡した。
「ありがとうございます。」
2人並んでストローで飲み始める。
「君はどうして富山愛姫が好きなんだい?」
「この前、家でラジオを聞いていたら、Shipの曲が流れてきて…。愛姫さんの歌声がとても素敵で…。」
「愛姫の声が好きになったって事?」
「はい…。」
「それで長野からわざわざ来たの?」
「はい…。」
「そうなんだ…。」
「あの…。」
「俺は、愛姫のファンだからね。」
男性はどこまでも優しく答える。
「どうして松本城に?」
「ああ、そっちね。俺は城が好きだから時間があればいろんな城を巡っているんだ。」
「そうだったんですか…。」
その時、男性の鼻から血がポタリと流れ落ちた。

