晴れ、時々、運命のいたずら




「君は…。」



「あ、あの…。」



穂乃花は呼吸を整え、不思議そうな顔をする男性を見上げた。



「ま、松本城で…。」



「あっ。」



男性も思い出したようだ。



「彼氏とケンカしていた子だね?」



その言葉に一瞬体が熱くなる。



「い、いえ…。彼氏ではないですが…。」



小さく否定する穂乃花を男性は優しく見つめた。



「彼氏じゃなかった?それはごめんね。」



「あ、あの…。」



「ん?」



「どうして、ここに…。」



もしかしたら、男性は名古屋に住んでいるのかもしれない。


男性からすれば、松本で会った女の子と名古屋で再会するなんて思っても見なかっただろう。


けれど、そんな事を気にしないかのように男性は優しく答えた。



「Shipを見る為に、ね。」



(私と一緒…。)



「君は?」



逆に尋ねられた。



「私は…、愛姫さんを見る為に…。」



愛姫の名前を告げると男性は少し驚いた表情を見せた。



「もし、今時間があるなら少しお茶でもしないかい?」